おすすめの有名軍事本10選【初心者向け】

 古典と呼ばれる本以外にも、比較的新しく登場した作品の中で大きな影響を与える軍事本は数多く存在する。その中でも注目されることの多いものや良質なものをピックアップしてここで紹介。

 

 

クレフェルト『補給戦』

 「兵站」や「補給」について語る上での必読書とされることが多く、初心者にとって戦争の見方や考え方を変えてくれる一冊となるだろう。ただし、この本の内容を把握する為には世界史に関する事前知識があった方が良いだろう。

 

大井篤『海上護衛戦』

 太平洋戦争時における海上交通の保護に取り組んでいた著者による、当時の海上護衛の生々しい現実と悪戦苦闘の日々が描かれた名作。ゲーム「艦隊これくしょん」の影響でにわかに注目が集まったことでも有名。

 

ハワード『ヨーロッパ史における戦争』

 「軍事史」学習の為の第一歩として推薦できるのが、このマイケル・ハワードの『ヨーロッパ史における戦争』。要点を絞った明快な記述で、ページ数も少ないのでさらっと読める一冊。

 

マクニール『戦争の世界史』

 上記のハワードの作品に比べ、二冊組の重厚かつ網羅的な内容が特徴。ただし、軍事史を学ぶ上では必読の作品と言っても過言ではなく、これを読まずして軍事史を語ることは出来ない。

 

グランツ『ソ連軍〈作戦術〉』

 ソ連発祥である「作戦術」をその題名としているが、より幅広いソ連軍事思想史の本としても読めるぐらいの内容の充実度を誇る。思想面からソ連の軍事を考える上ではまず読んでおきたい一冊でもある。

 

片岡徹也『軍事の事典』

 軍事理論を読み解く上で重要となる各種用語に丁寧な解説を交えた良質な軍事理論学習書。より高いレベルで軍事を学ぶ為の登竜門となる。この本の最大の問題点は入手難易度の高さであり、再販や電子書籍化が待ち望まれる作品でもある。

 

前原透、片岡徹也『戦略思想史入門』

 歴史上の多くの軍事思想家たちの簡単な来歴やその著作、思想の内容について学ぶことが出来る一冊。扱われている人物も幅広く、軍事思想の全体の流れを把握するという意味でも一読の価値はある。

戦略思想家事典

戦略思想家事典

  • 芙蓉書房出版
Amazon

 

モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』

 戦争におけるプロパガンダの問題について取り上げる際によく名前が挙がる一冊。ただし、この本は政府から国民に向けるような「内向き」のプロパガンダを取り扱っているので、敵国から行われるプロパガンダについて学びたい人は注意が必要。

 

スイス政府『民間防衛』

 実際に戦争が起きる時、そこで何が発生するのか、民間人はどのように行動すべきかを学べる手引書的な作品である。発行された時代から年数も経過し、今となっては古いと見なされる記述もあるものの、「民間防衛」の古典的作品とされる場合が多い。

 

喬良、王湘穂『超限戦』

 孫子毛沢東を生んだ中国から登場した、新時代の戦争である「超限戦」について述べられた一冊。「金融」や「メディア」なども戦争の領域に含まれるような、あらゆる手段の制限を超えた戦争の時代の到来を告げる新戦略論の一冊である。

 

 以上、おすすめの有名軍事本10選でした。