2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

軍事思想史入門 第13回【ゲリラ戦】

【ゲリラ戦】 少人数で奇襲や待ち伏せ、後方攪乱などの破壊活動を行うゲリラ戦は古代から用いられてきた戦法であり、ゲリラという言葉もナポレオン戦争時の半島戦争で生まれたスペイン語の「小さな戦争」の意味から登場したものである。 しかしながら、ゲリ…

軍事思想史入門 第12回【共産主義・ソ連の軍事思想】

【共産主義・ソ連の軍事思想】 この時期におけるソ連でも独自の軍事思想が発達していったが、その中には共産主義的思想の影響を受けたものもあることから、その部分も含めて把握しておく必要がある。 マルクスと並ぶ共産主義思想家であるドイツのエンゲルス…

軍事思想史入門 第11回【新たな軍事思想・地政学】

【新たな軍事思想・地政学】 この時期は従来では見られなかった新たな軍事思想の誕生期でもあった。 ドイツのデルブリュックは『政治史の枠組における戦争術の歴史』で、歴史学の方法論を活用しつつ、従来の戦史だけではなく社会史や政治史などと組み合わせ…

軍事思想史入門 第10回【戦車】

【戦車】 第一次世界大戦で登場した戦車は、当初こそ能力を十分に発揮できなかったものの、最終的には連合軍の勝利に大きく貢献し、戦争の新しい形態を予感させることとなった。 第一次世界大戦時に戦車の運用に携わっていたイギリスのフラーは、『大戦にお…

軍事思想史入門 第9回【第一次世界大戦後】

【第一次世界大戦後】 第一次世界大戦はそれまでに類を見ない大戦争であり、軍事のみならず政治、経済、文化に多大な影響を及ぼし、多くの技術や学問が戦争に用いられた革新的な戦争でもあった。それゆえに、第一次世界大戦は軍事思想の面でも大きな刺激を与…

軍事思想史入門 第8回【第一次世界大戦前夜】

【第一次世界大戦前夜】 ナポレオン戦争以後、用兵面ではジョミニの思想の影響が大きかったものの、火力の発達からジョミニ的な戦術の限界が見受けられるようになってきた。 そのような状態の中、ジョミニを筆頭とする旧来の原則にとらわれることなく、戦略…

軍事思想史入門 第7回【要塞戦】

【要塞戦】 古くから中近東や西洋では日干しレンガや石造りの城砦というものが利用されてきたが、火砲(大砲)の発達によって旧来の城砦は陳腐化し、より新しい形の築城方式が求められた。それが、いわゆるイタリア式築城(星形要塞)であり、これによって要…

軍事思想史入門 第6回【海軍】

【海軍】 ナポレオン戦争後においては、海軍思想もまた大いに花開いた時代となった。 海軍思想を説いた作品の中で最も有名なものと言えば、アメリカのマハンの著作『海上権力史論』である。これはジョミニの思想を海軍思想に応用したもので、特に艦隊決戦の…

軍事思想史入門 第5回【フランス革命後】

【フランス革命後】 フランス革命は世界史上で多大な影響を与えると共に、軍事においてもまた非常に大きな影響を与えたのは言うまでもない。軍事思想上で重要な著作はこのフランス革命以降の時期に執筆された物が多い まず、軍事思想上の地均しとなったのは…